こんにちはスタイリストの吉川です。
に引き続き、国産デニムの聖地・岡山県の児島からレポートです。
熱気と共にひたすらアイロンをかける
前回の染色に続きまして、次は縫い目の部分を染める際に
綺麗に色が出るようにのりを付けている作業場へ。
大型の扇風機の前でひたすらアイロンをかける。
アイロンの蒸気と熱がすごいのですが、
とても集中して仕事をされていました。
これをやるとムラなく綺麗に縫い目の
加工部分が仕上がるのだそう。
女性3名でスピーディーかつ正確にアイロンをかけていました。
デニムに味を出すための手作業加工
続いて、吹き付けの現場へ。
立体のものにデニムを履かせて、直接生地に
塗料を吹き付けていきます。
みるみるうちに違う色が重ねられていきます。
スイッチで回転させて、裏表ともに加工していきます。
作業が進むに連れて、「ヒゲ」と呼ばれる
横シワの加工もより鮮明になってきました。
お隣ではペイントの作業。
ペイントは1本1本、手作業で描いていきます。
これを100本、200本とやると思うと
気の遠くなる作業ですが仕上書を見ながら
黙々と描かれていました。
デニムシャツもペイントすると、こんな感じになります。
デニムにヤスリをかけて味を出す
続いては、デニムの表面にヤスリをかけて味を出す作業です。
実際にヤスリをかける前にデニムの中に型を入れます。
この型が様々なブランドによりバリエーションがあり、
型が相当な量こちらも棚に保管されています。
これにより「ヒゲ」と呼ばれる線がデニムに入り、
ヒゲにはオリジナリティが出てくるのです。
また前のアタリという白い部分を作るのにもヤスリがけが重要。
ヤスリを実際に持たせて頂きましたが、とても重いです。
これを1日中持って腕を上げながら作業するのは
かなりの重労働なのだと教えて頂きました。
このヤスリの作業は、かける部分とかけない部分の境目を
いかに綺麗にぼかすことができるかどうか。
これを綺麗にやるには熟練した技術が必要なのだそうです。
ちなみに写真の方はベテランでかなりの腕前とのこと。
実際にこの加工をした直後と、さらにその後に
洗いをかけたものとを全く同じ商品となるデニムで比較させて頂きました。
洗いをかけて、更に漂白をすると
右側のデニムが、左側の最終形へと仕上がるのです。
作業を目の当たりにして
多くの人の手を経て、デニムが様々な加工をされて
1つの作品へと仕上がっていくことを実感しました。
そこには常に、本当に高い集中力を保ちながら
真剣に1本1本のデニムと向き合っておられる職人さんがいました。
皆さんの支えがあってこそ、あらゆるデザインの要望に応え
個性あるデニムへと仕上がっていくことができるのだなと。
もちろん、今では中国をはじめ海外の技術レベルの高さも目ざましいですが、
日本のものづくりの魂も健在であると実感しました。
次回は、いよいよ大きなポイントになります「洗い」と
「漂白」の現場を見ていきたいと思います!
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